校正者になるには資格が必要?取得するメリットと実務での有効性

教材校正の仕事に挑戦するにあたって、関連する資格の取得が必要なのか気になっている方は少なくないでしょう。校正に関わる資格には、「校正技能検定試験」や「校正士認定試験」などがあります。
この記事では、校正者として働くにあたって資格取得は必須なのか、資格を取得するメリットはどのような点にあるのか、わかりやすく解説しています。教材校正の実務における資格の有効性にも触れていますので、ぜひ参考にしてください。
Contents
校正者として働くにあたって資格は必要?
はじめに、校正業務における「資格」の位置づけについて整理しておきます。
【結論】資格は必須ではない
結論からお伝えすると、校正者として働くにあたって資格取得は必須条件ではありません。校正の仕事は免許事業ではなく、独占業務にも該当しないからです。
校正に関する資格は、民間団体が運営する検定/認定試験です。他の検定/認定試験と同様、一定の知識やスキルが身についていることをレベル別に証明するための資格といえます。したがって、取得した資格は履歴書などの応募書類に記載できますし、自身の強みとしてアピールすることも可能です。
基礎的な知識やスキルの習得には一定の効果あり
校正者として現役で活躍している方々であっても、校正関連の資格を取得していないケースは多く見られます。あくまでも実務上のスキルや実績が重視される世界のため、資格の有無が決定打となることは良くも悪くもないのが実情です。
ただし、校正関連の資格取得に向けて勉強する過程で、校正者として求められる基礎的な知識やスキルの習得に役立つことはあります。たとえば、校正記号の基本的な使い方や、ゲラとの引き合わせ方法などの知識は、資格取得を通じてある程度は習得可能です。
校正関連の主な資格
校正関連の資格としてよく知られているものに「校正技能検定試験」と「校正士認定試験」があります。
校正技能検定試験
日本エディタースクールが運営している検定試験です。初級・中級・上級の3段階があり、出題範囲や問われるスキルのレベルがそれぞれ異なります。
初級は日本エディタースクールにて指定科目を修得した方が認定されます。中級・上級では実技試験と学科試験が行われ、所定の基準に達した方が合格となります。上級を受検できるのは中級合格者のみです。日本エディタースクールの公式問題集をはじめ、中級・上級向けの検定添削システムも提供されていますので、これらの教材を活用して勉強を進めるとよいでしょう。
参考:日本エディタースクール|校正技能検定試験
校正士認定試験
実務教育研究所が運営する、文部科学省認定の通信講座です。校正実務講座の通信教育修了後、認定試験合格者に「校正士」の認定証書が交付されます。認定試験において審査対象となるのは、「引き合わせ原稿と校正刷りを正確に引き合わせることができる技能」と「引き合わせ原稿のない校正刷りを素読みで正確にチェックできる技能」の2点です。
受講期間中、個別の添削指導や質疑応答などのサポートを受けられます。また、講座受講から認定試験の受検まで一貫して自宅で取り組めるため、仕事を続けながら資格取得を目指したい方にもおすすめです。
参考:一般財団法人 実務教育研究所|校正実務講座
校正資格を取得するメリットと実務での有効性
校正関連の資格を取得することで、具体的にどのようなメリットを得られるのでしょうか。実務における有効性とともに解説します。
校正者として基礎的な知見を習得していることの証明になる
資格を取得しておくメリットは、校正に関する体系的な知識をまとめて得られることです。校正記号の使い方などの基礎事項から、初校・再校との一般的な引き合わせ方といった実務寄りのスキルまで、一貫して身につけられます。特に校正の実務に携わった経験のない方にとって、「完全に初めてで何も知識がない」状態からのスタートにならない点は大きなメリットといえるでしょう。
教材の校正実務に必要な知見が+αで必要
では、校正関連の資格を取得すれば実務で問題なく通用するかというと、そうとは限らないのが実情です。校正と一口に言っても、対象となる刊行物等によって求められる知見はまちまちです。
一例として、教材の校正であれば各教科内容に関する知識や学年ごとの履修内容・履修順、教科書会社ごとの用字用語の違いなどを把握しておかなければなりません。こうした知見は実務を通じて体得していく必要があるため、資格取得を通じて得た知識・スキルに+αの知見が求められると考えてください。
まとめ
校正関連の資格を取得することで、校正業務に必要な基礎的な知識やスキルを習得できます。一方で、資格さえ取得すれば実務で通用するわけではなく、校正する刊行物等に特有の知見に関しては実務を通じて習得していく必要があります。まずは基礎事項の習得から始めるべきか、実務を通じて実践的な知見を身につけていくべきか、受検料や勉強期間との兼ね合いも考慮しながら検討してみてはいかがでしょうか。


