教科書改訂と教材改訂の関係とは?

小・中・高校で使用する教科書は定期的に内容が見直され、刷新されています。この一連の手続きが「教科書改訂」です。
本記事では、教科書改訂の基本的な周期や教材改訂との関係についてわかりやすく解説しています。教材編集の仕事に携わりたい方にとって必須の知識を整理していきましょう。
Contents
教科書と教材の違い
「教科書」と「教材」は、一般的には区別が曖昧になっているケースが少なくありません。しかし、学参業界では教科書と教材は明確に「別のもの」として呼び分けています。
教科書=文部科学省による検定に合格した教科用図書
教科書とは、文部科学省が学習指導要領にもとづいて内容や表現を審査し、検定に合格した「教科用図書」のことです。民間の出版社が文部科学省に審査を申請し、調査意見や検定意見を踏まえて必要な修正を行ったのちに、合格・不合格が通知されます。
このように、教科書と呼ばれる書籍は教科書検定に合格したものに限られます。教科の学習内容を扱っている本であっても、教科書検定に合格していないものは正式な教科書としては認められません。
教材=学習目的に応じて制作された参考書や問題集
教材とは、さまざまな学習目的に応じて制作された参考書や問題集、資料集、ドリルなどのことです。学校や学習塾で使用する教材のほか、書店で販売する店売教材など種類は多岐にわたります。
このうち、教科書内容に沿って編集・制作されている教材は「教科書準拠教材」と呼ばれます。教科書準拠教材とそれ以外の教材の違いについては、次の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
教科書改訂とは
冒頭で述べたとおり、教科書は定期的に改訂されます。教科書改訂の基本的な周期と、学習指導要領との関わりについて確認しておきましょう。
教科書改訂は原則4年周期
教科書改訂は原則として4年周期で行われています。教科書を刊行している出版社は複数存在しますが、どの出版社もこの周期に合わせて改訂作業を進めることになります。
教科書改訂は教科書の内容を全面的に見直すというより、表現や題材の部分的な変更に留めるケースがほとんどです。国語の教科書であれば、題材文を一部差し替えるといった変更が多く見られます。これは、教科書の土台となる学習指導要領そのものが改訂されていない場合の対応です。
大改訂とは「学習指導要領改訂に伴う改訂」のこと
学習指導要領そのものが改訂される場合、教科書の記載内容を全面的に見直さなければなりません。通常の教科書改訂と比べて大幅な改訂が必要になることから、学習指導要領の改訂に伴う教科書改訂を「大改訂」、それ以外の改訂を「小改訂」と呼び分けることがあります。
学習指導要領の改訂は、およそ10年周期で実施されてきました。次期改訂の全面実施は小学校が2030年度、中学校が2031年度、高校が2032年度以降の予定です。
教科書改訂と教材改訂の関係
教科書改訂に伴って、教材も教科書の内容に合わせて改訂することになります。教科書改訂と教材改訂の関係について、ポイントを押さえておきましょう。
新教科書の供給に合わせて教材改訂が進められる
教材の改訂作業は、教科書の供給時期に合わせて進められます。学校や学習塾が新年度を迎えた際に、教科書内容に沿った教材を提供する必要があるからです。
たとえば、2031年度には中学校にて新学習指導要領の全面実施が控えています。したがって、教材出版社は2030年度のうちに教材改訂を進めなくてはなりません。教科書準拠教材はもちろんのこと、受験対策教材や学習塾の季節講習テキスト、模試や各種テストなども、新教科書の内容に合わせて改訂が行われることがあります。
改訂期は出版社・編プロにとって繁忙期
教材改訂作業には明確な期限があります。新教科書の配布や新学習指導要領の全面実施の時期に合わせて、教材を完成させなければならないからです。
一方で、教科書内容に合わせて教材編集を進める関係上、新教科書の内容がおおよそ固まってから教材の改訂作業に着手せざるを得ません。そのため、教材改訂年度は出版社や編集プロダクションにとって極めて多忙な時期となります。限られた期間で、いかに良質な教材を制作するかが問われているのです。
まとめ
教科書改訂は原則4年周期、学習指導要領の改訂はおよそ10年周期です。教材の仕事に携わりたい方は、このスケジュールを念頭に置いてリソースを確保しておく必要があるでしょう。
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