「偏差値とは何か?」をわかりやすく解説|教材のレベル設定にどう活用される?

模試などの各種試験では、結果個票に「偏差値」が掲載されていることがあります。偏差値の意味や見方を何となく理解しているようでいて、何を表しているのか曖昧なままになっている方も多いのではないでしょうか。
今回は、偏差値とは何かをわかりやすく解説します。教材のレベル設定に偏差値が活用される場合の考え方にも触れていますので、ぜひ参考にしてください。
Contents
偏差値とは
はじめに偏差値が何を表しているのか、基本的な考え方や算出される理由を整理しておきましょう。
集団内での相対的な位置を表す数値
偏差値とは、ある集団内での相対的な立ち位置を表す指標のことです。偏差値50を基準として、50より高い場合は平均以上、50より低い場合は平均未満だったと判断できます。
【偏差値の計算式】
偏差値=50+10×(得点-平均点)÷標準偏差
標準偏差は、点数のばらつき具合を示す指標です。たとえ高得点だったとしても平均点が高かったり、高得点者が多かったりすれば、偏差値はさほど高くならない可能性があります。
偏差値を算出する理由
テスト結果を偏差値で表す主な理由は、点数だけではその試験の成果が見えにくいからです。
たとえば100点満点のテストで90点を取った場合、全体の9割正解しているわけですから、一見すると高得点のように思えます。しかし、平均点が80点だったとすれば90点前後を取った受験者は決して少なくないでしょう。一方、平均点が30点だったとすれば90点はかなり高得点の部類に入ります。このように、試験の難易度や受験者全体の得点分布を織り込み、結果をより客観的に判断するために偏差値が用いられるのです。
偏差値の分布と学力の目安
一般的な「偏差値〇〇以上」といった表現から学力や難易度を判断する場合、偏差値の分布と学力の目安を知っておくことが大切です。
成績上位層の目安は偏差値60以上
多くの試験では、偏差値は次のように分布するケースが多く見られます。
偏差値分布の目安
- 70以上:上位約2%
- 60~69:上位約16%まで
- 50~59:平均~上位
- 40~49:下位~平均付近
- 39以下:下位約16%
よって、偏差値60以上であれば上位の成績と見なしてよいでしょう。ただし、前述のとおり偏差値はあくまでも「その試験・受験者の中での立ち位置」です。試験の難易度や受験者の母数、学力レベルが異なれば、偏差値も変動する点に注意する必要があります。
一般的に言われる偏差値は「感覚値」に近い
学力を表す際に「偏差値60程度」といった言い方をすることがあります。このようなケースでは、具体的にどの試験・母集団を想定しているのか明確になっていないことも多いのが実情です。つまり、一般的に使われている偏差値は「感覚値」や「おおよその目安」に近いと考えてよいでしょう。
高校入試に関しては、たとえば公立校と私立校では出題される入試問題の傾向や難易度、受験者数などが異なるため、「ほぼ同等の偏差値なら公立校と私立校のどちらが難関校といえるか」といった単純な比較はできません。一般的には「偏差値60以上は上位校」「偏差値70前後は超難関校」のように、大まかに捉えられています。
教材編集に携わる際の偏差値の考え方
教材づくりをする中で、「偏差値60前後の学習者を想定した教材」といった目安が示されることがあります。このようなケースでは、偏差値をどう捉えればよいのでしょうか。
レベル設定を共有するための「共通語」として用いられる
特定の模試などを基準にしていない限り、教材の企画等で示される偏差値はあくまでも目安です。一例として、「偏差値60以上の学習者が対象」であれば上位校を目指す生徒向け、「偏差値50前後が対象」であれば平均的な学力層向けと捉えてよいでしょう。
こうした言い回しが使われるのは、教材のレベル設定を関係者の間で共有しておく必要があるからです。「難問も扱う教材」といった表現では漠然としていると感じられる場合に、認識を合わせるための「共通語」として偏差値が用いられていると考えてください。
応用・発展問題の比率や難易度で調整するケースが多い
教材編集の実務では、偏差値の目安は応用・発展問題などのいわゆる「難問」をどの程度掲載するか、各設問の難易度をどこまで上げるか、といった要素でレベルを調整するケースが多く見られます。
習ったことをそのまま使えば解ける問題は標準、少しひねりを利かせる必要がある問題は応用、ひらめきやテクニックが必須の問題は発展、といった区分けをしておき、目安となる偏差値に合わせて出題数・難易度を設定することになるでしょう。
まとめ
偏差値はある集団内での位置を示す指標のため、点数だけでは判断できない試験の成果をより客観的に確認できます。一方で、偏差値はあくまでも相対的な数値です。試験の難易度や受験者の集団が変われば偏差値も変動します。偏差値を絶対視するのではなく、あくまでも1つの目安として活用していきましょう。


