教材校正は厳しい仕事?「つらい」「きつい」と言われる理由

在宅でできる仕事の候補として「教材の校正」を考えていませんか。インターネット上では、校正の仕事について「つらい」「きつい」といった声が少なからず聞かれます。なぜそう言われているのか、疑問に感じていた方も多いのではないでしょうか。
この記事では、教材の校正が厳しい仕事と言われる主な理由を解説しています。ご自身に校正者としての適性があるかどうかを確認する方法も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
Contents
教材校正は適性に大きく左右される仕事
結論からお伝えすると、教材校正が「つらい」「きつい」と言われるのは適性に大きく左右される仕事だからです。校正者として高い適性を備えている人にとっては、決してつらい仕事ではありません。まずは、教材校正者に必要とされる主な資質と、あまり向いているとは言えない人の特徴を見ていきましょう。
教材校正者に必要な資質とは
教材校正者に求められる資質は多岐にわたりますが、特に重要なポイントとして次の4つが挙げられます。
・教科の専門知識
・校正の観点や依頼の趣旨を理解する能力
・細部まで目を凝らす注意力
・じっくりと時間をかけて取り組む集中力
「教材の内容が理解できる」「掲載されている問題を解ける」からといって、校正の実務に対応できるとは限らないのが実情です。校正する教材の主な種類や仕事内容については、次の記事で解説していますのでご参照ください。
教材校正の仕事は在宅でできる?仕事内容・未経験から目指す方法
教材校正に向いていない人とは
反対に、教科の知識が豊富であっても教材校正にはあまり向いていないタイプの人もいます。一例として、次のような面がある人は注意が必要です。
・1つのことに長時間打ち込むのが苦手
・じっくりと時間をかけて取り組むのは面倒に感じる
・大雑把な性格だと人から言われることがある
近年はAI(人工知能)を駆使して文章の誤字脱字をチェックする手法が広がりつつありますが、学習教材に関してはまだまだ人の目による校正が欠かせません。AI時代に求められる校正者の能力については、次の記事もあわせて参考にしてください。
校正の仕事はいずれなくなる?将来性やAI時代に求められる能力を解説
教材校正が「つらい」「きつい」と言われる主な理由
教材校正が「つらい」「きつい」と言われることがある主な理由として、次の2点が挙げられます。
じっくりと時間をかけて見る必要があるため
教材校正の仕事は、基本的に業務委託です。アルバイトや派遣といった働き方もありますが、在宅で取り組む場合には業務委託のケースが多いでしょう。業務委託とは、成果物の納品によって報酬が発生する契約のことです。
先述したとおり、教材を校正するにはじっくりと時間をかけて見る必要があります。業務委託は時給制ではないため、校正に予想以上の時間を要したとしても報酬が増えるわけではありません。したがって、見方によっては「時間がかかる割に報酬が高くない」と感じる可能性があります。
プレッシャーが常にかかるため
校正の仕事は常にプレッシャーと隣り合わせです。重大なミスが発見されないまま教材が刊行されてしまったら、出版社は訂正表を教材に挟み込んだり、訂正シールを全教材に貼ったりしなくてはなりません。場合によっては、教材を回収して正しい内容のものと交換する必要に迫られます。こうした事態に陥ると、教材の信頼性そのものが大きく揺らぎかねないのです。
実際には2名以上の校正者に同じ誌面のチェックを依頼するケースも多いため、別の校正者にフォローしてもらえる場合もあるでしょう。しかしながら、「ここは指摘してほしかった」といった点を複数見落としていると、校正者として信頼を得るのは難しくなってしまうおそれがあります。
校正者として適性があるかどうかを確認するには?
ご自身に校正者として適性があるのか知りたいという方もいるでしょう。適性を確認する上で役立つ方法を2つ紹介します。
就きたい仕事の特徴や自分の性格を振り返る
まずは、ご自身が就きたい仕事の特徴を整理してみましょう。1人で黙々と取り組む仕事や、じっくりと時間をかけて打ち込む仕事、集中力や注意力を活かせる仕事に就きたいという人は、校正者に求められる基本的な条件を満たしている可能性があります。
また、ご自身の性格を振り返ってみるのも1つの方法です。人から「すごく几帳面だね」とよく言われる人や、つい細かいことが気になってしまうタイプの人は、校正者として必要な資質を備えているケースが少なくありません。
教材編集プロダクションの校正テストを受ける
実際に教材校正の仕事に向いているかどうかを判断するには、実務に近い環境で校正に取り組むのが近道です。教材を専門に扱っている編集プロダクションでは、校正の仕事に応募した方々を対象に校正テストを実施しているケースが多く見られます。こうしたテストで指摘すべき点を指摘できていれば、校正の仕事に「適性あり」と判断できるでしょう。
教材の校正には特有の観点が求められます。英語の教材なら、「英語として自然かどうか」という観点が求められることもあれば、「未習の文法事項や英単語が使われていないか」が重要なポイントとなる場合もあるからです。校正テストは、こういった観点でご自身が誌面をチェックできるかどうかを試す「実務シミュレーション」の機会になるでしょう。
まとめ:校正テストで適性をチェックしてみよう
教材校正の仕事が「つらい」「きつい」と言われる背景には、適性によって合う・合わないが分かれやすいという事情があります。ご自身に校正者の適性があるかどうか、今回ご紹介した確認方法を参考に振り返ってみてはいかがでしょうか。
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